■ご挨拶(当日パンフレットより)
本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。
2005年、稽古場に清水みき枝が持ってきた1冊の戯曲「熱海殺人事件〜売春捜査官〜」。
それが、劇団とつかさんの出会いでした。
同年11月、ここ新宿サニーサイドシアターにて行われた演劇祭「熱海の乱」に劇団として参加。
はじめて触れるつかさんの戯曲に、ただただ情熱をぶつけるだけで舞台は幕を下ろしました。
2006年には「熱海殺人事件〜モンテカルロイリュージョン〜」を上演。
さらに2008年から3年間、バトルロイヤル公演としてその2本の「熱海殺人事件」を上演。
劇団俳優の全員がつかさんの戯曲に触れ、演劇の面白さと難しさを味わっています。
2010年7月12日、つかこうへいさん死去のニュースが流れ、劇団員一同は言葉を失い、
もうすでに参加が決まっていたこの演劇祭は、つかさんの追悼公演となりました。
泣かず、嘆かず、振り向かずに。つかさんへの感謝と愛、そして演劇への情熱をもって、
この作品と向き合ってきたつもりです。
お客様とつかさんに、この思いが届くことを願うと共に、つかさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
スリークウォーター代表 山口敦史
劇団スリークウォーターは、社会人を中心とした “芝居をやめられない”仲間が集まる劇団。
結成当時わずか4名だった劇団員も、5年経った今、26名を抱える劇団となった。
「スリークウォーター」=「4分の3」。「1」になれないどこか欠けた仲間達が集まり、
その欠けた「4分の1」を、客演さん、スタッフ、そして劇場に来てくださったお客様からいただき、
「1」になることを目標に活動している。
演出家として欠けている私は、「1」になる為の多くをつかさんからいただいてきました。
私がつかさんに恩返しができるとしたら、つかさんの台本と共に歩んできたスリークウォーターに
その熱き魂を注ぎ続けることです。
スリークウォーターが太鼓判を押す役者達で集められた、社会人の限界を超えてしまいそうな
ぎりぎり社会人集団「ThreeQuarter#1」。その始まりの一歩をサニーサイドから踏むのだと、
今回の企画をきっかけに結成。その公演がまさか、つかさんの追悼公演となってしまうとは・・・。
「あなたがいて、わたしたちがいる」―この想いがつかさんに届くのを願い、私達は走り続けます。
本日はご来場、誠にありがとうございます。
♯1プロデューサー 清水みき枝 |