上演にあたって
3月11日(金)に発生した東北関東大震災におきまして被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
そして、安否確認ができていない被災地の方々がご無事でいらっしゃる事を心よりお祈り申し上げます。
私達は3月27日(日)に、1月からワークショップに参加してくれた役者のたまご達の発表会を企画しておりました。
連日の報道の模様を見て、心が折れそうになりました。
このような状況の中で、私達はその発表会を実施していいものか・・・。
何かできる事はないのか・・・。
強い気持ちのみが先走って何度も何度も考えました。
スリークウォーターは社会人が集まる劇団です。今、復興に向けて、寝る間を惜しんで働く者。社員の給料の為になんとかしなければならない経営者。
2時間歩いてでも職場まで行かねばならない者。お客様の確保に走り回る営業マン。皆が仕事に追われながらも、生活を取り戻そうと必死に動いています。
スーパーから商品が消えても、アメリカでは、被爆検査をしないと日本からは入国できない現状だとしても、
今は、買い込みをしない事や、節電することしかできない自分の無力さを感じました。
そして、決断しました。
今私達ができる事は、心折れることなく、予定どおり発表会に向けて、普通の生活を取り戻す事だと。
当初、公共の施設を使い劇団内だけの発表会の予定でしたが、
この度の震災の影響で施設の使用停止が決定し、場を失っていた私達を、快く受け入れてくれた劇場さんがいました。涙が出るほど嬉しかったのです。
そして、急ではありますが、多くの方にも観ていただきたいと、内輪の発表会を「公演」という形でオープンにする事にしました。
公演といいましても、最小限の照明でのささやかな「演劇発表会」であります。
今回は料金無料でやらせていただきます。そして、多くの方がふらりとお気軽に寄っていただけるような企画にしました。
微力ではありますが私達ができる事は、表現の場を求めて集まった仲間達と、それを楽しみに見にきてくださるお客様へ、
元気になれる場所を提供できるよう予定どおり公演を行う事だと思っております。
多くの皆様が少しでも早く普通の生活に戻れる事を願いつつ、私達もできる限りの事をしていくつもりです。
企画総合演出 清水みき枝