〜当日パンフレットより〜
本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。
ここに12人が揃って、無事に公演まで辿り着けた事、心より皆様に感謝いたします。
バトルロイヤル公演とは、入団を希望する新人(研修生)と劇団員とが、立場を超えてぶつかり合い、
生き残った者だ
けが出演できるという壮絶な企画。
今年は劇団員7名と研修生5名が勝ち残った。
しかし、同じ役ができる役者が他に2人いるのだからいつでも逃げることができただろう。
そんな時、
何よりも勇気づけられたのは「観にいくよ」、「楽しみにしてるよ」と、言ってくださるお客様の声だっただろう。
今年から演出部が発足した。
隈無く役者を愛する為に(檄が飛び交う稽古場から逃げないようにとの説もある)。
愛に溢れた山口と藩地のチームの紹介文も合わせてご覧ください。この二人がいたからこそ今があるのです。
私が主に担当したニワトリチームは、自称すりくおの看板と言う斉名高志を中心に今回「熱海〜」が3度目になる
二期
生で構成されている。が、この4人―。実は気が弱くプレッシャーで潰れてしまう程自分に自信がない。
でも何故「ニワトリ」なのか・・・。
この4人は「どんな綺麗な服を着ていても心が美しくないと美しくは見えない事」を知っている。
そして「時が経てば立場も変わり人も変わり心の持ちようも変わるのだから
今のありのままで勝負しなければいけない
事」を知っている。
私は人と人との間に生まれる関係と、それを感じる心に興味があり、それは二度と同じものはないのだと信じている。
だからつかこうへいさんの作品であり、この4人が今のニワトリなのだ。
そんな彼らが率いるすりくお12人の魂が、病と闘っているつかこうへいさんに届く事を願って。
どうぞ最後まで、今のスリークウォーターをお楽しみください。
演出 清水みき枝
金の卵チームはセリフに勢いを付ける事から始まった。勢いを付けるにはそれなりの気持ちが必要だ。
そんな言葉にすると単純だが、難しいことに挑み始めた4人。
不思議な事に普段の会話は腹黒さに満ちている。ただそんな関係が逆にチームの連帯感を深めていった。
一番大事なことは信頼感だと知りつつ、誰にでも言いたい事を言える関係を作っていったのかもしれない。
4人がどんな答えを見つけ、どんな気持ちで熱海殺人事件に臨むのか。
最後に待っている本当の結末は気持ち次第で変わって行く。
そんな彼らの答えを見てやって下さい。
演出部 金のたまご担当 藩地真世
銀の卵チームは3人の研修生と1人の劇団員で構成されている。
声の出し方、舞台での立ち方、気持ちの届け方・・・本当に多くの事を、3人の研修生たちは必死に吸収してくれた。
それを支え続けてきた劇団員・石月の演技が、公演2週間前に変わってきた。4人が、しっかりと自分の力で、
そこに
存在できるようになったからだ。
ある日「このチームは西遊記だな」と、石月が言った。部長役の亜矢子が三蔵法師、熊田役の大川が孫悟空、
万平役の
石月が沙悟浄、大山役の権兵衛が猪八戒。言われて見ると、確かにしっくりくる。
でも、それは見かけだけのことじゃないと、今は思える。
バラバラだったメンバーたちが、目的地へ向かう4人組の旅人になった気がする。
辿り着いた場所は、天竺ではなく、ここ池袋GEKIBAの舞台上だ。
お経なんかよりもずっと価値のある「お客様からの拍手」を4人が受けとれるのか・・・。
彼らの旅の終わりを、胸を張って見守ろうと思う。
演出部 銀のたまご担当 山口敦史
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