〜当日パンフレットより〜
年に一度の地元長野のお祭りで、いつも母が屋台で七味唐辛子を買っていた。とうがらし・胡麻・麻の実・山椒・陳皮(ミカンの皮)・しそ・青のり。この7種類の中身を、我が家の好みで調合してもらうのだ。「うちはこの味じゃなきゃだめなのよ」と少し山椒が多めに入っている我が家の「七味とうがらし」は、母の味。その味が忘れられず、東京に住む私は、今でも、七味を屋台で買う。
屋台といえば、タイ(バンコク)に数日滞在したこの春―
路地端で花輪を作りながら、笑顔で客呼びする子供達。近代的なビル郡の路地裏で、タバコを吹かし、ビールを飲みながら、アイコンタクトする娼婦達。歓楽街の喧噪の中で涙が出そうになった出来事と思いを、プロットにまとめ提出したことから、この物語がはじまった。
今回のテーマは「七味」。7つの味の調合。
出演者は5名だって?!
いえいえ、プラス2名は、「すりくお」の縁の下の力持ち―音響竹田&制作布袋田―。台本作成の段階から、この7人で創りあげてきた「七味とうがらし2007」。現在の「すりくお」を、全身で感じていただけたらと・・・。
本日は、ご来場いただきまして誠にありがとうございます。
スリークウォーター演出 清水みき枝
“スリークウォーター”つまり「4分の3」に欠けている「4分の1」が、役者・スタッフ、そして何より、今日ご来場くださったお客様によって満たされて、また新しい一つの形を成します。
本日はご来場ありがとうございます。主宰の山口敦史です。
スリークウォーターの第5回公演は、初めての完全オリジナル台本です。清水のプロットをベースに、役者の生み出した言葉が台詞となり、それぞれの個性を演出が生かしていく。稽古場の中で成長してきた今回の作品は、現在の私たちを表現しています。それは、今までのスリークウォーターの集大成とも言えるでしょう。そのエネルギーを感じていただき、楽しんでいただければ幸いです。
まもなく開演時間となります。タバコを一服しなくて平気ですか?お手洗いは済ませましたか?携帯電話の電源は切っていただけましたでしょうか?準備が整いましたら軽く座りなおしていだいて、リラックスしてもうしばらくお待ちください。
本日はご来場いただき、誠にありがとうございました。
スリークウォーター主宰 山口敦史